現在、5位のローマは前節のデルビーで宿敵ラツィオに0-1で敗れてリーグ連敗。目標であるトップ4フィニッシュへ暗雲垂れ込める。3試合ぶりの白星を目指すインターナショナルマッチウィーク明け初戦では降格圏の19位に沈むサンプドリアをホームで迎え撃った。
処分明けで3試合ぶりにベンチへ戻ってきたモウリーニョ監督だが、チームは負傷者に加えて、マンチーニ、イバニェス、クンブラ、クリスタンテとディフェンスラインを中心に4人がサスペンションで不在に。これを受け、ディエゴ・ジョレンテをリーグ初先発で起用したほか、並びを[4-3-3]に変更した。
入りは良かったものの、徐々に守り慣れたサンプドリアに押し返されるローマは、得点力不足の相手に決定機まで持ち込まれる場面こそないものの、幾度か押し込まれてフィニッシュを許す。
それでも、30分を過ぎた辺りから再びペースを掴んだローマは、左サイドのスピナッツォーラとエル・シャーラウィを生かしたカウンターが機能し始める。31分には左CKからジョレンテのヘディングシュート、36分にはマティッチの浮き球スルーパスに抜け出したワイナルドゥムの右足シュートでゴールに迫るが、相手GKの好守と左ポストに阻まれる。
さらに、前半終盤にかけて攻撃のギアを上げたジャッロロッシは、ザレフスキの強烈なミドルシュート、そのこぼれに反応したペッレグリーニのシュートでゴールに迫ったが、いずれもGKラバッリャのビッグセーブに阻まれ、前半の内にゴールをこじ開けることはできなかった。
後半は押し込まれる入りとなったローマだったが、52分に背後への抜け出しを試みたエイブラハムがDFムリージョのファウルを誘発。このプレーで2枚目のイエローカードをもらったムリージョが退場となり、数的優位を手にした。
これで流れを引き寄せたローマは相手が10人で守り慣れる前にゴールをこじ開ける。57分、セットプレーの二次攻撃からボックス手前左のマティッチが入れた柔らかなクロスに反応したワイナルドゥムがタイミング良くゴール前に走り込み、ヘディングシュートを流し込んだ。
この直後にエイブラハムを下げてベロッティを投入したローマは、しっかりとリスク管理を意識しながらもトドメとなる2点目を狙って攻勢を強めていく。そして、得意のセットプレーを軸に幾度か決定機を作り出すが、ディバラやスピナッツォーラが最後のところで仕留め切れない。
結局、最少得点差のまま試合は後半終盤に突入。得点力不足とはいえ“事故”を起こされる可能性もある痺れる戦いを強いられたが、再び百戦錬磨のベテランコンビが大きな仕事を果たす。
87分、セットプレーの二次攻撃からセカンドを回収したマティッチがミドルシュートを匂わせてからの絶妙なショートスルーパスをボックス内のワイナルドゥムに通すと、オランダ代表MFがGKラバッリャのファウルを誘ってPK獲得。このPKをキッカーのディバラが冷静に決め切って今季リーグ戦ゴール数を「10」の大台に乗せた。
これで勝利を決定づけたローマは94分にも途中出場ソルバッケンの完璧なラストパスに反応したエル・シャーラウィが3点目を奪ってダメ押しの3点目を奪取。そして、苦しみながらも格下をきっちり退けたモウリーニョのチームは、3試合ぶりの白星を挙げて暫定4位に浮上した。