今節の最注目カードは優勝争いとトップ4争いの行方を左右する、2位のアーセナル(勝ち点81)と7位のブライトン(勝ち点55)の上位対決だ。
アーセナルは前節、難所セント・ジェームズ・パークで行われたニューカッスルとの上位対決に2-0の勝利。両守護神の圧巻のパフォーマンスによって非常に引き締まった試合展開の中、MFウーデゴールの2試合連続ゴールとFWマルティネッリが演出したオウンゴールによって勝ち切った。
頂上決戦での敗戦後はチェルシー、ニューカッスルという難敵を連破してリバウンドメンタリティを示したチームだが、今節に向けてはDFサリバに加えてDFジンチェンコの欠場が濃厚と見られており、攻撃力に特長を持つシーガルズ相手にディフェンスラインが懸念材料となる。
対するブライトンは前節、残留争いに身を置くエバートンに1-5の惨敗。攻撃では多くのチャンスを作った中、相手守護神ピックフォードの再三の好守に阻まれた印象が強いが、守備では相手が虎視眈々と狙うロングカウンターに完璧にやられてしまい、今季ワーストの5失点となった。延期試合の多さによるシーズン最終盤の過密日程に加え、トフィーズ戦ではDFウェブスターとMFマーチが負傷するなど、デ・ゼルビ監督は苦しい台所事情を強いられる。
今季アーセナルとはEFLカップとリーグ戦のホームゲームで2度対戦し、1勝1敗の五分。その中でMF三笘薫はいずれの試合でもゴールを記録しており、今回の対戦では4月1日のブレントフォード戦以来、リーグ8戦ぶりのゴールでチームを勝利に導きたい。
ホームでのチャンピオンズリーグ(CL)準決勝2ndレグを控える首位のシティ(勝ち点82)は、17位のエバートン(勝ち点32)と対戦。リーグ戦11連勝での首位固めと共に、レアル・マドリーとのリターンレグに向けて弾みを付ける勝利が求められる。
リーグ前節はMFギュンドアンの2ゴールで新生リーズに2-1と勝ち切ったペップのチーム。敵地で行われたCL準決勝1stレグでは主導権を握った前半に相手のゴラッソで先制点を許し、後半も主導権を握られる苦しい展開となったが、MFデ・ブライネの圧巻のミドルシュートで同点に追いつき敵地で最低限の1-1のドローに持ち込んだ。今季公式戦のホームゲームは27勝1分け1敗と圧倒的な戦績を残しているが、驚異的な勝負強さを誇るマドリー相手に大きなアドバンテージとは言えない状況だ。
そのため、できるだけ万全の状態で臨みたいところだが、直近1勝1分けで残留に向けて勢いを出し始めているエバートンとのアウェイゲームはタフな試合となりそうだ。前回対戦では1-1のドローに持ち込まれており、マドリー戦で存在感を欠いたFWハーランドやターンオーバーでスタメン起用が見込まれるFWマフレズやMFフォーデンらの活躍に期待したい。
熾烈なトップ4争いでは3位のニューカッスル(勝ち点65)と、5位のリバプール(勝ち点62)がいずれも降格圏の19位リーズ(勝ち点30)と、18位のレスター・シティ(勝ち点30)と対戦。4位のユナイテッド(勝ち点63)は13位のウォルバーハンプトン(勝ち点40)と対戦する。
アーセナル相手に試合内容は拮抗も決定力の差を見せつけられて連勝がストップしたニューカッスル。アラダイス新監督を招へいし、初陣となったシティ戦では早くもその新指揮官の色を見せた新生リーズは割り切った守備的なプランで勝ち点奪取を狙うはずだ。そのため、仕切り直しの勝利に向けては攻撃陣の奮起が求められるところだ。
トップ4争いにおいて消化試合数が最も多く勝ち点が少ないものの、今季最長の6連勝と最も勢いがあるリバプール。前節のブレントフォード戦ではFWサラーのゴールを最後まで守り切って2試合連続の1-0の勝利。6連勝中の5試合ではいずれも1点差の勝利となっており、5勝4分け8敗と今季低迷の一因となったアウェイゲームでは畳みかける攻撃でホームチームの心を早い段階で折って7連勝といきたい。
ユナイテッドは前節、ウェストハムに0-1で敗れて開幕以来のリーグ戦連敗に。シーズンを通じての勤続疲労に加え、直近3試合でわずか1ゴールと得点力不足が深刻だ。対戦相手のウルブスは前節のアストン・ビラ戦の勝利で残留を確定させており、ホームアドバンテージを含めて勝ち点3を獲得しやすい試合と言えるが、逆にここで勝てないようだと残り試合でのプレッシャーが強まる。
ヨーロッパコンペティションの出場を確定させたい6位のトッテナム(勝ち点57)は、8位のアストン・ビラ(勝ち点54)とのシックスポインターに臨む。前節、クリスタル・パレスに1-0で競り勝って9試合ぶりのクリーンシートと共にメイソン新体制での初勝利を飾ったスパーズ。暫定指揮官の採用した可変式の[4-4-2]の機能性や離脱組の復帰と残り試合でのプラス材料は多く、ここに来て2連敗と調子が下降気味のエメリのチームに勝利できれば、より良い形でシーズンを締めくくれる。
また、前節のボーンマス戦で待望のランパード体制初勝利を手にした11位のチェルシー(勝ち点42)は、16位のノッティンガム・フォレスト(勝ち点33)を相手に連勝を目指す。前節はトランジションや守備の整理の部分で相変わらず課題が出た一方、沈黙していた攻撃陣が今季最多タイの3ゴールを挙げた点はポジティブな要素だ。再三の鋭い仕掛けで存在感を示したFWマドゥエケら若手タレントの活躍に期待したい。
◆プレミアリーグ第36節
▽5/13(土)
《20:30》
リーズ vs ニューカッスル
《23:00》
アストン・ビラ vs トッテナム
チェルシー vs ノッティンガム・フォレスト
クリスタル・パレス vs ボーンマス
マンチェスター・ユナイテッド vs ウォルバーハンプトン
サウサンプトン vs フルアム
▽5/14(日)
《22:00》
エバートン vs マンチェスター・シティ
ブレントフォード vs ウェストハム
《24:30》
アーセナル vs ブライトン
▽5/15(月)
《28:00》
レスター・シティ vs リバプール