前節、インテルとの上位対決に0-2で敗れて4戦未勝利となった7位のローマ。それでも、ミッドウィーク開催となったヨーロッパリーグ(EL)準決勝1stレグではレバークーゼンにホームで1-0の先勝。2シーズン連続のヨーロッパコンペティション決勝進出に王手をかけた。
今節のアタランタとミランの敗戦、財政違反で勝ち点はく奪の可能性があるユベントスの状況を考えると、逆転でのトップ4の可能性も再浮上した中、8位のボローニャとのアウェイゲームに臨んだ。ただ、モウリーニョ監督はレバークーゼンとの2ndレグを最優先事項とし、多くの主力を温存。GKスヴィラ―ルと19歳DFミッソーリをセリエA初先発させたほか、タヒロビッチやソルバッケンといった控え選手を起用した。
直近のシャビ・アロンソに続き、チアゴ・モッタとの師弟対決連戦に臨んだモウリーニョ率いるローマ。平均年齢25歳34日と自身のセリエA最年少スカッドで臨んだ中、立ち上がりこそイーブンな展開に持ち込んだが、以降は成熟度で勝るホームチームに押し込まれる時間が続く。18分にはオルソリーニにカットインから得意の左足を振られるが、ここはGKスヴィラ―ルの好守で凌ぐ。
後ろ重心でなかなか攻撃の形を作り出せないローマだったが、25分に最初の決定機を創出。ボックス右に抜け出したソルバッケンがDF2枚を相手にボールを守って内側へ折り返すと、ベロッティが右足ダイレクトで合わす。だが、これは古巣対戦のGKスコルプスキのファインセーブに遭い、ガッロ待望の今季リーグ戦初ゴールとはならず。
それでも、以降は引き続きボールを握られながらもイーブンな展開に持ち込んだローマは、切れ味鋭い仕掛けで存在感を放ったソルバッケンを起点に幾度か際どいシーンを作り出し、最低限のゴールレスで試合を折り返した。
迎えた後半は立ち上がりからクローズな展開が続く。その中でローマは54分、チェリクがハムストリングを痛めたタイミングで3枚替えを敢行。ボーヴェ、マンチーニ、エイブラハムと主力をピッチに送り出す。
この交代で徐々に主導権を握ると、62分にはセットプレーの二次攻撃からマディ・カマラの鋭いミドルシュートで最初の決定機を作る。さらに、70分を過ぎてペッレグリーニ、マティッチとさらなる主力を投入していくジャッロロッシ。
後半半ばから終盤にかけては互いになかなか決定機まで持ち込めない膠着状態に陥る。あわよくば勝ち点3がほしいアウェイチームはペッレグリーニの正確なキックを生かしたセットプレーに活路を見いだそうとしたが、マンチーニ、エイブラハムの2度の決定機をモノにできなかった。
そして、今季リーグ戦で初めてゴールレスドローに終わったローマはアタランタを抜いて6位に浮上したものの、5戦未勝利のリーグ戦でのトップ4フィニッシュは厳しい状況に。それでも、一部主力に完全休養を与え、ELファイナル進出を懸けたレバークーゼンとの大一番に臨む形となった。