前節、ニューカッスルに1-4と大敗し、ヨーロッパリーグ(EL)出場権獲得が現実的な目標となった6位のブライトンは、降格が決定した最下位のサウサンプトンと対戦した。
消耗激しいニューカッスル戦から中2日でのホームゲームに向けてデ・ゼルビ監督は先発5人を変更。コルウィル、マク・アリスター、フェルトマン、エンシソといった主力が復帰し、最前線はウェルベックからファーガソンに変更され、三笘は左ウイングに入った。
押し込む入りを見せたブライトンは三笘にいきなりの見せ場。8分、バイタルエリアで相手のヘディングのクリアに反応した三笘はスムーズな運びからボックス内へ侵入し、DFをかわしてボックス中央から右足を振る。だが、右隅を狙い過ぎたか枠を外してしまった。
一方、アリボを最前線に配した[4-1-4-1]と変化を加えて臨んだサウサンプトンは、17分に最初の決定機を創出。中盤でボールを奪ったアルカラスがウォルコットにボールを預けてボックス右でリターンパスを受けて右足を振るが、これを枠の右に外してしまった。
相手のミスに救われたブライトンは直後に再び三笘にビッグチャンス。21分、GKとDFの連携ミスを突いてボックス中央でパスカットした背番号22はGKとの一対一でチップキック気味の右足シュートを枠の左へ飛ばすが、これはポストに阻まれてこの試合2度目の決定機逸となった。
チャンスを作りながらも決め切れない焦れる展開となったホームチームだったが、18歳の逸材FWが豪快な一撃でものの見事にゴールをこじ開けた。29分、相手陣内でカイセドがルーズボールを回収し、マク・アリスターを経由したボールがボックス右のファーガソンに渡ると、ファーガソンはDFに寄せられる前に右足を一閃。股間を抜けた強烈なグラウンダーシュートがGKマッカーシーの脇を抜けてゴールネットを揺らした。
良い時間帯に先制したブライトンはここからゲームをコントロールしつつ、うまく相手を引き出しながら緩急を付けた攻めで追加点を目指す。すると、ここまで2度の決定機逸でフラストレーションを募らせていた日本代表MFが圧巻のチャンスメークで名誉挽回。
40分、ハーフウェイライン付近の左サイドでアルカラスのミスパスをカットした三笘はカバーに入ったラヴィアに身体をぶつけられながらも手を使って強引に引きはがして縦に運ぶと、右を並走するファーガソンを見逃さずにボックス手前でDFを引き付けて右足アウトを使った完璧なラストパスを供給。これを若きエースストライカーが難なくワンタッチで流し込んだ。
これで勝利に大きく近づいたブライトンは余裕を持ってゲームを進め、前半終了間際にはエストゥピニャンのお膳立てから三笘に3度目の決定機が舞い込むが、ボックス左でニアを狙って放ったシュートはサイドネットを叩いた。
迎えた後半、エンシソを下げてブオナノッテをハーフタイム明けに投入したブライトン。後半もボールを握って相手を自陣深くに押し込んでいくが、決定機まであと一歩という状況が続く。
一方、カウンターやセットプレーから虎視眈々とワンチャンスを狙っていたサウサンプトンは後半最初の決定機をゴールに結びつける。58分、左CKの場面でキッカーのウォード=プラウズが右足インスウィングの絶妙なボールを入れると、ニアでうまくフリックしたエルユヌシのヘディングシュートがファーポストに決まった。
このゴールをきっかけに流れが変わると、63分にはウォード=プラウズのスルーパスで背後を取ったウォルコットが絶妙なチップキックでGKスティールとの一対一を制し、サウサンプトンが再びゴールネットを揺らす。だが、これはVARの介入によってオフサイドでのノーゴール判定となった。
オフサイドに救われて何とかリードを維持したホームチームは気を引き締め直すと、畳みかける攻めから貴重な3点目を奪った。69分、直前のフェルトマンの決定的なヘディングシュートはGKマッカーシーの好守に阻まれたが、直後の左CKの流れからボックス右でボールを持ったグロスがカットインから左足を振ると、低い弾道のシュートがゴール右隅に決まった。
この3失点目で勝利が難しいと判断したサウサンプトンは積極的に交代カードを切っていき、バラードとドイルという10代の若手をトップチームデビューさせて来季に向けた戦い方にシフトした。一方、過密日程続くブライトンも負傷明けのフェルトマンを早いタイミングで下げると、89分には疲労が溜まる三笘とコルウィルがお役御免となった。
その後、4点目こそ奪えなかったものの、しっかりと試合をコントロールしたままタイムアップを迎えたブライトンが7位以内を確定させ、来季ヨーロッパコンペティション出場を確定。また、現状のリーグテーブルを考えると、EL出場権もほぼ確定と言っていい状況だ。