リーグ最多の31ゴールを誇る7位・札幌。前節は京都サンガF.C.を2-1で撃破し、3連勝とした。好調なチームの中でも直近6試合で6ゴールを叩き出す浅野の輝きが眩しい。
対する3位・名古屋は15試合で11失点の堅守が光るチーム。ゴールのカギを握る強力3トップのユンカー、永井、マテウスは今節も揃って先発出場となった。日本代表に初選出された森下も[3-4-2-1]の左ウイングバックで先発している。
キックオフからわずか27秒で名古屋が先制。センターサークル付近でこぼれ球を拾った米本から永井にボールが渡ると、永井は最終ラインの背後に浮き玉のスルーパスを入れる。走り込んだユンカーはボックス内で札幌のGK菅野との1対1となり、左足で冷静にゴール左隅へ流し込んだ。
いきなり追いかける立場となった札幌は15分に最初のチャンス。浅野が右サイドを自陣からドリブルでボックス内まで運び、左足を一閃。シュートはブロックされたが、二次攻撃から再びクロスにヘディングで合わせる。ミートしていれば1点モノのシーンだったが、こちらはクロスバーの上へ外れた。
先制後はブロックを敷く時間が長かった名古屋も31分に久々のチャンス。和泉がボックス手前から力いっぱい左足を振り抜く。ゴール右隅を狙ったミドルシュートは惜しくも枠を外れた。
名古屋の1点リードで折り返したハーフタイム、追いかける札幌は菅を下げてルーカス・フェルナンデスを投入。早い時間帯での同点を狙う。
そんな札幌に後半開始早々に決定機。46分、ボックス右角から金子が左足ボレーを放つ。ここはリーグ屈指の守護神である名古屋のGKランゲラックに掻き出された。いきなり同点とはいかなかったが、攻撃の迫力は明らかに前半より上昇している。しかし、一瞬の隙で追加点を与えてしまう。
55分、名古屋は森下が左サイドを抜け出すと、マイナスのクロスをボックス内へ供給。ボックス外から走り込んだマテウスがワンバウンドのボールに上手く合わせ、強烈な左足ボレーをネット左上へ突き刺した。
ビハインドが2点となった札幌は68分に決定機。ボックス手前左から駒井がゴール前へ浮き玉を送ると、最終ラインの背後をとった宮澤がヘディングで合わせる。しかし、ボールを叩きつけることはできず、わずかに枠を外れた。
75分にはボックス右に侵入した金子が角度のない位置からクロスを上げると見せかけてシュートを放つ。またしてもランゲラックにセーブされた。しかし、金子は3度目の正直でランゲラックの壁を破る。
85分、札幌は小柏がボックス右から中央の金子へパスを入れると、金子はワンタッチで前を向き、すかさず右足を一閃。ランゲラックの守るニアではなく、ファーを狙った強烈なシュートがネットに突き刺さった。
なおも同点を目指して果敢に攻め込む札幌だったが、反撃は金子の1点にとどまり、無情のホイッスル。リーグ最多得点の攻撃陣が持ち味を発揮したが、連勝は3でストップすることとなった。
勝利した名古屋はこれで2連勝。強力3トップを形成するユンカー、マテウスがゴールを決め、守備では最少失点に抑えた。名古屋らしさが凝縮された白星となった。
北海道コンサドーレ札幌 1-2 名古屋グランパス
【札幌】
金子拓郎(後40)
【名古屋】
キャスパー・ユンカー(前1)
マテウス・カストロ(後10)