ミッドウィーク開催のチェルシー戦を4-1で快勝し、3位浮上と共に来シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得に成功したユナイテッド。来週にマンチェスター・シティとのFAカップ決勝を控える中、今季のホーム最終戦では10位のフルアムと対戦した。テン・ハグ監督はマグワイアやマラシア、フレッジを起用するなど若干のターンオーバーを敢行した。
今季のFAカップでも激闘を演じた両チームは、立ち上がりからオープンな攻防を繰り広げていく。そういった中、11分にはボックス手前の好位置で得たFKの場面でキッカーのラッシュフォードが決定的なシュートを枠に飛ばすが、これはGKレノの好守に遭う。
一方、立ち上がりに同じくセットプレーからミトロビッチが際どいシーンを作っていたフルアムは2度目のチャンスをゴールに結びつける。19分、ウィリアンの正確な左CKをニアに飛び込んだテテが頭で合わせた。
ホームで先制を許したユナイテッドはブルーノ・フェルナンデスを起点にすぐさま反撃を開始するが、決定機には至らず。逆に、25分にはカゼミロがボックス内でケアニーを倒してしまいPK献上。だが、ミトロビッチが右を狙って蹴ったシュートはGKデ・ヘアが完璧な読みではじき出し、2失点目を回避した。
この守護神のビッグプレーをきっかけにスタジアムの空気が変わると、ここから赤い悪魔が攻勢を仕掛けていく。ガルナチョがクロスバー直撃のシュートなど続けて決定的なシュートを放つと、3試合連発を狙うカゼミロもGKレノに好守を強いる。以降も相手を完全に押し込むと、39分には中央でのB・フェルナンデスを起点にボックス内に侵入したフレッジがうまく潰れると、相手DFにディフレクトしたゴール前へのこぼれに反応したサンチョが冷静にGKとの一対一を制した。
前半の内に逆転まで持っていけなかったものの、1-1のイーブンで試合を折り返したユナイテッド。後半も押し込む入りを見せると、55分には中央のフレッジからの絶妙なスルーパスに抜け出したB・フェルナンデスがボックス内でのGKとの一対一を制して逆転に成功した。
試合を引っくり返したユナイテッドはここからメンバーを入れ替えながら、来週のFAカップ決勝に向けた戦い方にシフト。幾度かフルアムに際どいシーンを作られたが、GKデ・ヘアのビッグセーブで凌いでいく。試合終盤のオープンな時間帯には途中出場のマルシャルやヴェグホルストに3点目のチャンスが訪れるが、これを決め切れず。
それでも、このまま2-1のスコアで試合を締めくくったユナイテッドは4連勝で3位フィニッシュを決定。来週の大一番へ大きな弾みを付けた。
同日行われたチェルシーvsニューカッスルは、1-1のドローに終わった。
12位に低迷した苦しいシーズンを何とか勝利で終えたいチェルシーと、前節悲願のCL出場権獲得に成功した4位のニューカッスルの名門対決。
試合は地力で勝るアウェイチームが9分に先制。左サイド深くに抜け出したアンダーソンからの正確なグラウンダーの折り返しをゴール前に入り込んだゴードンがワンタッチで合わせた。
一方、チェルシーも27分にはFKの流れからボックス右でスターリングが入れた折り返しがゴール前のDFトリッピアーのオウンゴールを誘発し、前半の内にスコアをタイに戻した。
以降は拮抗した状況のまま試合を折り返すと、後半はホームで意地を見せたいチェルシーペースで進む。だが、シーズンを通して決定力不足に悩まされたチームは、ニューカッスルの堅守を前に逆転のゴールを奪うことはできず。この結果、ニューカッスルと引き分けたチェルシーはトップハーフの相手に未勝利という屈辱を味わう形でシーズンを終えた。
また、サウサンプトンvsリバプールは、4-4のドローに終わった。
前節、連勝が「7」でストップし、来シーズンのCL出場権を逃した5位のリバプールは、降格が決定している最下位のサウサンプトン相手に今季最終戦での勝利を目指した。
今季限りで退団するミルナーやフィルミノをスタメン起用するなど、お別れムード一色の布陣で試合に臨んだクロップのチーム。だが、開始10分にはそのフィルミノのハイプレスが誘発した相手のビルドアップのミスからジョタが先制点を奪取。さらに、直後の14分にはボックス内に侵入したフィルミノが巧みなシュートフェイントを織り交ぜたファインフィニッシュで2試合連続ゴールを記録した。
しかし、ここから徐々に緩みが出始めると、19分にウォード=プラウズ、28分にスレマナとあっさりとした守備対応から続けてゴールを奪われ、2-2のスコアで試合を折り返す。
さらに、後半立ち上がりにスレマナにカウンターから逆転ゴールを許すと、64分には自陣での不用意なロストからアダム・アームストロングに4点目まで決められる。
それでも、ここから決死の猛攻を見せたレッズは72分にアレクサンダー=アーノルドのお膳立てからガクポ、直後の73分にはサラーのスルーパスに抜け出したジョタが豪快なシュートを叩き込み、同点に追いつく。残り時間を考えれば、逆転の可能性は十二分にあったものの、ホーム最終戦で意地を見せたセインツ相手に5点目を奪うまでには至らず。今季最終戦は出入りの激しい今季の戦いを表したかのようなド派手なドローに終わった。