2021年夏に永遠の都に到着したスペシャル・ワン。財政難のクラブにおいて、これまで指揮したビッグクラブのように大型補強には至らずも、システム変更や若手の抜擢など豊富な引き出しと持ち味の堅守構築によって奮闘。セリエAでは2シーズン連続でトップ4圏外となったが、初年度にヨーロッパ・カンファレンスリーグ制覇を、2年目となった今シーズンはセビージャにPK戦の末に惜敗したものの、ヨーロッパリーグ準優勝に導いた。
ローマとの現行契約は2024年まで残っている一方、ここ数カ月ではポルトガル代表指揮官を皮切りにパリ・サンジェルマン(PSG)やサウジアラビアからの巨額オファーと、退団の可能性が取り沙汰される。
しかし、先日にオーナーのフリードキン・ファミリーと今後に向けた会談を行ったポルトガル人指揮官は、ファイナンシャル・フェアプレー(FFP)の問題を抱えるクラブの財政事情に理解を示しつつ、今後のプロジェクトに賛同を示したという。そして、新たに掲示された2026年までの2年の契約延長に応じる意向のようだ。
なお、FFP遵守のために今月末までに3000万ユーロ(約45億円)程度の収入を得る必要があるとされるローマでは、売却候補とされたイングランド代表FWタミー・エイブラハムの長期離脱によって、ブラジル代表DFロジェール・イバニェスの売却は不可避な模様だ。
また、PSGからレンタル中のオランダ代表MFジョルジニオ・ワイナルドゥム、オリンピアコスからレンタル中のギニア代表MFマディ・カマラの2選手に関しては買い取りオプションの行使を見送る決断をすでに下しているようだ。
一方で、モウリーニョ監督の残留が濃厚となったことで、指揮官が残留を望むイタリア代表FWステファン・エル・シャーラウィに関しては、選手自身が引き続きジャッロロッシでのプレーを希望していることもあり、同選手がイビサへの休暇に旅立つ前に契約書にサインする見込みだ。
リーズ・ユナイテッドからレンタル中のスペイン代表DFディエゴ・ジョレンテに関しては、同じく指揮官が残留を希望しているが、高額な買い取りオプションの行使には否定的で、リーズとより安価な金額での完全移籍の交渉を行っていく模様だ。