6月はエルサルバドル代表(15日)、ペルー代表(20日)と2試合を戦う日本。3月に森保一監督の第二次政権となる活動がスタートしたが、ウルグアイ代表とコロンビア代表には勝つことができなかった。
新体制の初勝利を飾りたい今回の活動。初日のトレーニングは一般公開され、大雨の中でも多くのファンが見守り、選手たちに声援を送った。
トレーニング後、MF久保建英(レアル・ソシエダ)がメディアの取材に応対。現在の状態については「楽しくやれています」と語り、「伸び伸びプレーできているので、それを代表に持ち込めていると思います」と調子の良さをアピールした。
今シーズンはレアル・マドリーからソシエダに完全移籍。これまでプレーしたマジョルカ、ビジャレアル、ヘタフェとは1つレベルが上のチームに入った中、久保のパフォーマンスも向上。ラ・リーガで35試合に出場し9ゴール4アシストを記録した。
過去最高のパフォーマンスを見せた久保はシーズンを振り返り、「良かったと思います。日本人で自分の力でチャンピオンズリーグに出られる選手は一握りだと思うので、そういった意味で、日本代表という観点でも良いシーズンだったと思います」とコメント。結果に手応えを感じているようだ。
特に終盤戦ではゴールを量産。その理由については「得点パターンが増えたのが良かったと思います」とコメント。「レパートリーが増えたことで相手も警戒してきて、その結果、得意な形で得点が入ったりしたと思います」と語った。
一方で相手に厳しいマークにつかれることも増えた中、強豪相手に対しては「勝てる相手だと思って今年はやっていたので、そこは少し変わったかもしれないです」とメンタリティの変化に言及。チーム力がこれまでのクラブよりも高いことで、勝てる相手という気持ちで臨み、久保自身もしっかりと結果を残すことができた。
そういった意味では、今シーズンはカタール・ワールドカップ(W杯)でもドイツ代表、スペイン代表に勝利するなど、強豪相手にも結果を出している。「今いる世代があと何年代表に入れるかわからないですが、前回やって、形はどうであれ戦えることは示したので、今後は形にこだわって、引退した後に自慢できる世代になれればと思います」と語り、日本代表としても、もっと主導権を握って強豪に勝てるようにしたいと語った。
今回招集された日本代表の攻撃陣は、久保だけでなく、それぞれがクラブで大きな結果を残している。FW古橋亨梧(セルティック)は27ゴールでリーグ得点王に輝けば、欧州1年目のFW上田綺世(セルクル・ブルージュ)は22ゴールで得点ランキング2位。MF三笘薫(ブライトン&ホーヴ・アルビオン)は公式戦10ゴールを記録し、決定的なゴールも多く、多くのクラブから警戒されるなどしている。
久保は「今シーズンは前の選手が結果を出しているので、その選手たちが中心となって攻撃の質を上げていく。ボールを持てればみんなの特徴も生きやすいと思います」と、自分だけでなく、周りも生かして攻撃に厚みを加えたいとコメント。「今回の相手が格上かといえば、そうではないので、今回の相手も9月も僕たちがボールを持つ時間を長くしたいです」と、この先の代表活動でも、ボールを保持して良さを出していきたいと意気込んだ。
3月の活動は来日するも新型コロナウイルス(COVID-19)の陰性が確認できずにウルグアイ戦をスキップ。コロンビア戦は途中出場した。今回は「とりあえず、検査で陰性だったので、今回は最後まで帯同できます(笑)」と語り、「しっかりチームのためにやりたいと思います」と新生・森保ジャパンでの活動を楽しみにしているという。
そして、15日に対戦するエルサルバドルは、2019年6月、ちょうど4年前に日本代表デビューを果たした相手だ。当時を振り返った久保は「あの時は交代で呼ばれてすごく嬉しかったのを覚えています」と語り、「ただ、隣を見たら中島(翔哉)選手が僕よりも嬉しそうにしていたので、代表って凄い場所だなと思っていました」とコメント。「今はそれがある種当たり前になってきている中で、嬉しさ、楽しさは忘れずに、代表の価値を上げていければと思います」と、より中心選手としての自覚も芽生えた様子。「今シーズンは僕が頑張ったこともあり、日本の人も期待していると思います。期待に応えられる活躍を僕が見せられればと思います」と活躍を誓った。
久保はまだ代表では1ゴールに終わっている。「まだ1点なので、追いつけ追い越せで、最後に僕が一番結果を残せていれば万々歳だなと思います」とコメント。「積極的にシュートを打っていきたいと思います」と、得点にも意欲を見せた。