ラウンド16でシャフタールを2戦合計8-2で撃破したフェイエノールトは、エールディビジでも首位を快走。リーグ8連勝と絶好調の状態で乗り込んだ一戦では、ヘールトライダやコクチュ、トラウナーといった主力がスタメンに名を連ねた。
一方、レアル・ソシエダとの接戦を制してベスト8進出を決めたローマは、直近のセリエAでもサンプドリア、トリノを連破してリーグ2連勝。3位まで順位を上げている。敵地デ・カイプに乗り込んだ初戦では先発4人を変更。イバニェス、マティッチ、ペッレグリーニ、エイブラハムと主力が復帰。なお、古巣対戦のワイナルドゥムはベンチスタートとなった。
一方、自陣で相手の攻撃を受け止めながらカウンター主体の攻撃でチャンスを窺うローマ。20分には相手のビルドアップのミスを突いてボックス手前の好位置でFKを獲得。ここでキッカーのディバラが左足で直接ゴールを狙うが、このシュートは枠を捉え切れない。
一進一退の攻防が続く中でローマにアクシデントが発生。そけい部を痛めたディバラがプレー続行不可能となり、26分にエル・シャーラウィがスクランブル投入となった。
この交代をきっかけに試合に動きが出始めると、ローマは前線で駆け引きを繰り返すエル・シャーラウィが続けてチャンスに絡めば、フェイエノールトもコクチュの見事なスルーパスで背後へ飛び出したシマンスキが枠のわずか左に外れる際どいシュートで応戦する。
前半終盤にかけてはホームチームが押し込む状況が続いたが、粘り強く守ったアウェイチームに絶好の先制機が訪れる。43分、右CKの場面でボックス内のヴァイファーの左手にボールが当たってローマにPKが与えられる。だが、キッカーのペッレグリーニが左を狙って蹴ったシュートはGKバイローにコースを読まれた影響もあってかポストに直撃。痛恨のPK失敗で先制のチャンスを逃した。
ゴールレスで迎えた後半、ローマはペッレグリーニを下げてロッテルダム生まれフェイエノールトのアカデミー育ちのワイナルドゥムをハーフタイム明けに投入した。
一方、後半も同じメンバーで臨んだフェイエノールトは押し込む立ち上がりを見せると、54分に先制点を奪う。左サイドのスペースで果敢に仕掛けたイドリシがゴールライン際までえぐって角度を付けた浮き球の折り返しを供給。これをペナルティアーク付近のヴァイファーがピッチに叩きつける右足ボレーで合わせると、ゴール左隅に決まった。
PK失敗の悪い流れを払しょくできずにビハインドを背負ったローマはさらにアクシデントに見舞われる。競り合いの際に右肩を痛めたエイブラハムがプレー続行不可能となり、58分にベロッティのスクランブル投入を余儀なくされた。
ゴールがほしい状況で2人の主力アタッカーを負傷で欠く厳しい状況となったローマだが、63分には後半最初の決定機。左CKの場面で被り気味となったGKに競り勝ったイバニェスのヘディングシュートがゴールへ向かうが、これはゴールカバーに入ったイドリシとハンコにゴールライン上でかき出される。そして、ゴールラインテクノロジーでもノーゴールが確認された。
前半に続きビッグチャンスを逃したローマだが、後半半ばから終盤にかけては初めてボールの主導権を完全に握って押し込む形を作り出す。サイドからのクロス、セットプレーを軸に再三際どいシーンを作り出すが、相手の粘り強い守備を前に最後の部分でうまくいかない。
その後、4分が加えられたアディショナルタイムを含めて最後まで攻勢を仕掛けたローマだったが、ゴールをこじ開けられぬままタイムアップを迎えた。
この結果、昨季ECL決勝のリベンジを果たしたフェイエノールトがホームで先勝に成功。一方、敗れたローマはホームアドバンテージが期待できる2ndレグでの逆転は十分に可能も、主力アタッカーの状態が気がかりなところだ。