プレーオフ2に進めるかどうかの瀬戸際で迎えたセルクル・ブルージュは、勝利した上で他会場の結果次第という状況で最終節に臨んだ。
上田はこの試合も先発出場。チームは開始6分に先制し、幸先よくリードを奪った直後に上田も仕事をする。
スルーパスを受けたオリヴィエ・デマンがボックス内右から折り返すと、浮き球のクロスをゴール前でヤン・グボホがトラップ。最後は上田が浮いたボールを押し込んだ。
前半アディショナルタイムのPKは取り消される不運に遭い、チームもその後2失点を喫して追い付かれたものの、83分には上田が再びゴールに絡む。左サイドをドリブル突破し、ボックス内をえぐってグラウンダーのクロスを送ると、ケビン・デンキーがシュート。GKに防がれるが、ティボー・ソマーズが決めると、これが決勝点となった。
今シーズン18ゴール目を記録した上田は、元相棒のFW鈴木優磨(鹿島アントラーズ)がシント=トロイデン時代に記録した17ゴールを塗り替え、ベルギーでの日本人シーズン最多ゴール記録を更新。チームも他会場の結果により、ヨーロッパ・カンファレンスリーグ(ECL)出場権が懸かるプレーオフ2進出を決めた。
セルクル・ブルージュの躍進は、リーグ・アンのモナコにも称えられている。同一のオーナー企業のもと、セルクル・ブルージュはモナコの傘下にあるため、モナコはクラブ公式サイトでもセルクル・ブルージュの情報を発信している。
プレーオフ2進出の吉報も当然モナコ公式から伝えられ、「やはり上田が決めた」、「上田綺世の素晴らしい仕事からティボー・ソマーズが勝負を決めた」など、日本代表FWの活躍にも触れている。さらに、公式ツイッターではこの記事を上田とデンキーがトラメガを持つ写真付きで紹介。チーム躍進の立役者にピックアップしている。
具体的な話こそ聞こえてはいないものの、ミロン・ムスリッチ監督も冗談交じりに「スポーツディレクターはすでにお金の計算をしている」と、前節後にコメント。今オフには動向に注目が集まりそうだ。