昨夏にトッド・ベーリー氏が新たなオーナーに就任したチェルシー。今冬までに総額6億ポンド(約1014億円)以上の補強費も投じたが、トーマス・トゥヘル氏に続いて、グレアム・ポッター氏も成績不振を理由に追い出し、クラブOBで再就任となるフランク・ランパード氏に残りシーズンの指揮を託した。
だが、良くなるどころか、悪くなるばかりで、ランパード体制になってから目下公式戦6連敗。プレミアリーグでは来季の欧州カップ戦出場権を争うどころか、トップハーフにすら食い込んでいけるかも怪しくなる12位に甘んじており、6億ポンドの散財と言われても仕方ないのが実情だ。
風当たりも強まる一方のベーリー会長だが、現役時代にマンチェスター・ユナイテッドの選手としてチェルシーと数々の激戦を繰り広げたG・ネビル氏もポッドキャスト内で、フットボールのビデオゲームをしているような感覚だと酷評。干渉すべきではないと切り捨てている。
先のプレミアリーグで1-3の敗北を喫したアーセナル戦での戦いぶりを「最低だ。私のなかで、あんなにも酷いプレーを目にしたのは初めて。前半は惨たんたるものだった。哀れだ」と振り返り、厳しい言葉を飛ばした。
「ワールドカップ覇者をはじめ、代表選手たちがいて、あれほど高額だったというのに、信じられないね。ランパードも同じことを思っていることだろう。私が目にしたなかで最悪だ」
「選手たちのクオリティや、プライドを考えると、あのレベルまで落ちぶれるなんてできない。リバプール戦では本当に良い戦いぶりだったし、未来を感じた」
「センターFWがいなかったり、得点源がいなかったりするが、良いプレーぶりだったんだ。だが、それ以降に見たものは恥ずべきものとしか言いようがない」
「すべては上層部のせいだ。初日から混沌としているし、めちゃくちゃだった。ベーリーは悪夢を呼び込み、このリーグを読み間違えたんだ。彼はすぐに学ぶだろう。今季の出来事は純粋にすべて彼のせいだ」
「彼はフットボール部門をまとめるべきだったが、フットボールの部外者。オーナーであり、選手や、監督でもない。このリーグの経験もないのだから、この10年にわたってうまく運営してきた者に任せればいいんだ」
「彼らからノウハウを学び、チェルシーの安定と一貫性を保つようにすべきさ。ペトル・チェフや、マリア・グラノフスカイアがいなくなり、トゥヘルも数試合して去った。突如として大混乱に陥ったんだ。で、22歳の選手と8年契約を結ぶというモデルを作った」
「グラウンドマンや、フィジオ、スポーツ分析担当、ディレクター、監督を解任していったが、それは裏切りだし、『彼らのせいであり、私のせいではない』と言っているようなものだ」
「チェルシーにだって、クラブ運営の成功例があった。今の状況はベーリーが作り出したもの。この混乱は彼によってさ。『フットボールマネージャー』をプレーしているかのようで、ひどい」