前節クラシコの敗戦によって連覇の夢がほぼ潰えた2位のマドリーは、週明けに敵地でのコパ・クラシコ第2ラウンドを控える中で16位のバジャドリーと対戦。大一番を前に白星を取り戻したいアンチェロッティのチームは、先発5人を変更した。
サスペンションのナチョと負傷のリュディガー不在のバックラインには負傷明けのアラバとルーカス・バスケス、さらにカマヴィンガが左ラテラルにコンバート。中盤と前線ではモドリッチとバルベルデがベンチスタートとなり、アセンシオとロドリゴがスタメン入り。2列目に右からアセンシオ、ロドリゴ、ヴィニシウスが並び、1トップにベンゼマが入る[4-2-3-1]の布陣に変更した。
まずは10分、右サイドを崩したバジャドリーはボックス中央でこぼれ球を回収したロケ・メサが狙いすました右足のコントロールシュートを放つが、これは右ポストを叩く。続く11分には左サイド深くに侵攻したローザからの折り返しを中央のモンチュが右足で狙うが、今度は枠の左に外れた。
相手の決定力にも助けられて失点を免れたマドリーは、徐々にギアを上げてヴィニシウスらの個人技からフィニッシュまで持ち込む場面を増やしていく。また、アセンシオをインテリオール、ロドリゴを右ワイドに置く[4-3ー3]への変更が攻撃のリズムを改善。すると、20分過ぎには真骨頂のロングカウンターからゴールをこじ開けた。
22分、自陣左サイドでのカマヴィンガのボール奪取からクロース、チュアメニ、アセンシオと繋いで一気にスピードアップ。中央をドリブルで運んだアセンシオがDFを引き付けてボックス右に走り込むロドリゴへ完璧なラストパスを送ると、右足の対角シュートを左のサイドネットに突き刺した。
この先制点によって完全に流れを掴んだマドリーは、ここ最近不振も伝えられるエースが大爆発する。
まずは29分、左サイド深くでヴィニシウスがGKとディフェンスラインの間に入れた低いクロスが連携ミスを誘発すると、ファーに飛び込んだベンゼマがダイビングヘッドで合わせる。
続く32分にはロドリゴ、ヴィニシウスとダイレクトでのパス交換によってペナルティアーク付近へ前向きに切り込んだベンゼマは見事な右足のコントロールシュートをゴール右隅の完璧なコースに突き刺し、ドブレーテを達成。
極めつけは36分、ボックス右に走り込んだロドリゴからの折り返しはややマイナスに入り過ぎたが、百戦錬磨のストライカーはこれを巧みな右足のバイシクルシュートで流し込み、わずか7分間でトリプレーテを成し遂げた。
以降も攻撃の手を緩めないエル・ブランコは、相手陣内でハーフコートゲームを継続。ベンゼマが4点目に迫るなど相手を圧倒し続けてハーフタイムを迎えた。
後半は3枚替えを敢行したバジャドリーが勢いを持って入り、キケが左ポスト直撃のシュートを放つなど良い入りを見せた。
これに対して4点リードのマドリーは、省エネモードの戦いを見せながらも要所を締める戦いぶりで徐々にゲームをコントロールしていく。62分にはGKクルトワからのフィードに抜け出したロドリゴが左ポスト直撃の決定機に絡む。
時間の経過と共に週明けのバルセロナ戦を意識した戦い方にシフトしたマドリーは65分を過ぎて殊勲のベンゼマやヴィニシウス、久々先発のアラバを下げて、いずれも構想外のアザールとバジェホの2選手をセバージョスと共にピッチへ送り出す。
だが、攻撃の手を緩めないホームチームは73分、先制点の場面のお返しか、ボックス左でDFを引き付けたロドリゴからの丁寧なマイナスのラストパスをアセンシオが得意の左足で叩き込み、マニータを達成した。
その後、ロドリゴも下げて同じく出場機会の少ないオドリオソラを投入し、完全に試合をクローズに入ったマドリーは、アピールしたいアザールら控え選手が果敢にゴールを目指す。すると、試合終了間際の91分にはアザールのお膳立てからルーカス・バスケスがトドメの6点目を叩き込んだ。
見事な圧勝で前節の敗戦を払しょくしたマドリーが、敵地カンプ・ノウで行われるコパ・クラシコ第2ラウンドに弾みを付けた。