2022-23シーズンを締めくくる最終節では、13位のカディス(勝ち点41)から18位のバジャドリー(勝ち点39)までの6チーム中1チームが降格となる残留争いに最大の焦点が集まる。
その中で降格圏内のバジャドリーと、 14位のヘタフェ(勝ち点41)が対峙する直接対決は残留争いの行方を大きく左右する一戦だ。
今節を迎える時点でバジャドリーは最も厳しい立場にあるが、1ポイント差の16位アルメリア(勝ち点40)との当該成績では上回っており、勝ち点1でも逆転で残留できる可能性を有する。また、17位セルタ(勝ち点40)と3チームの勝ち点が並んだ場合は当該チーム間の勝ち点で劣るセルタが降格となる。対するヘタフェは引き分けで自力での残留が決まるため、無理して勝ちに行くことはなく、この一戦では他会場の動向を意識しながら戦いを進めていく形となるはずだ。
そういった中、前述の直接対決が“談合試合”となった場合、自力での勝ち点奪取が必要となるセルタとアルメリアは、それぞれバルセロナとエスパニョールというカタルーニャ勢との対戦となる。
セルタは王者として勝利でシーズンを締めくくりたいバルセロナを本拠地バライードスで迎え撃つ。前節、マジョルカに3-0の勝利を収めて1シーズンの最多クリーンシート記録(26試合)を更新したチャビのチームは、最終節でタイ記録となるシーズン最少失点記録(18失点)と、ピチーチ獲得を狙うFWレヴァンドフスキが高いモチベーションで臨んでくるはずだ。さらに、MFブスケッツ、DFジョルディ・アルバのラストゲームという重要な意味合いもあり、敵地と言えどもフルパワーでの戦いとなるはずだ。セルタとしては勝ち点1奪取を念頭に堅い試合展開に持ち込みたい。
一方、アルメリアは降格が決定し、プリメーラでの今季ラストゲームを戦うエスパニョールと対戦。序盤と中盤の低迷によって最終節を待たずして降格したエスパニョールだが、直近の3試合ではラージョやアトレティコ・マドリーといった上位陣相手にも粘り強く戦って1勝2分けの3戦無敗と決して侮れない相手だ。とりわけ、来季のレアル・マドリー行きも噂されるFWホセルはサラ賞が懸かっており、危険な相手だ。
また、現状では降格の可能性は決して高くないものの、下位3チームが勝利や勝ち点1を獲得した場合、降格の可能性もある15位のバレンシア(勝ち点41)と13位のカディスは、それぞれベティスと最下位のエルチェと順位が確定している相手とのアウェイゲームとなる。
ヨーロッパ・カンファレンスリーグ(ECL)出場権争いは、7位のオサスナ(勝ち点50)から10位のラージョ(勝ち点49)までの4チームによって争われる。
その争いで優位に立つオサスナは、9位のジローナ(勝ち点49)とのホームでの直接対決で勝利できれば、悲願の欧州行きが決定する。
また、各種出場権は懸かっていないものの、プライドや獲得賞金に若干の違いがあるマドリード勢の2位争いは最終節までもつれ込んでいる。
前節、FWロドリゴのドブレーテでセビージャを破って2位キープに成功したレアル・マドリー(勝ち点77)は、逆転でのECL出場を目指す8位のアスレティック・ビルバオ(勝ち点50)との最終節に臨む。ホーム最終戦では今季限りでの退団が濃厚なFWアセンシオやDFナチョらを白星で送り出すという目標や、去就が注目されるFWベンゼマの一挙手一投足に注目が集まる。
一方、前節は難敵ソシエダを破って3位以内を確定し、来シーズンのスーペル・コパ出場権を確保したアトレティコは、ビジャレアルとのアウェイゲームで逆転での2位フィニッシュを狙う。
最後に、MF久保建英を擁するソシエダは、10シーズンぶりのチャンピオンズリーグ(CL)出場権を確保した中、試合前から歓喜に満ちたアノエタで11位のセビージャとのホーム最終戦に臨む。ミッドウィークのEL決勝でローマをPK戦の末に破り、最多7度目の優勝を決めて同じく来季CL出場権を決めたセビージャは、さすがに燃え尽きた状態となっており、試合前のパシージョで気持ちよくさせておいて、肝心の試合ではハイインテンシティのプレーでEL王者を撃破したい。そして、シーズン二桁ゴールが懸かる久保には積極果敢な仕掛けでゴールを目指してほしいところだ。
《ラ・リーガ第38節》
▽6/4(日)
《25:30》
マジョルカ vs ラージョ
レアル・ソシエダ vs セビージャ
レアル・マドリー vs アスレティック・ビルバオ
ビジャレアル vs アトレティコ・マドリー
オサスナ vs ジローナ
《28:00》
ベティス vs バレンシア
セルタ vs バルセロナ
バジャドリー vs ヘタフェ
エルチェ vs カディス
エスパニョール vs アルメリア