今回の「ジャッジリプレイ」では3つのシーンが取り上げられた中、話題となったのは、FC東京vs横浜FMの67分のシーンだ。
このシーンではFC東京のディエゴ・オリヴェイラが右サイドを仕掛けると、畠中槙之輔が対応。ボールを奪うと、縦につける。マルコス・ジュニオールにパスが入るが、これを松木玖生が奪いに行き、身体を入れて奪い返すことに。ターンする際に右腕がマルコス・ジュニオールの顔面に入った。
主審はファウルを取らずそのままプレーを続行。ただ、ボールが切れた後にVARが介入。主審のオンフィールド・レビューが終わると、ノーファウルだったものが一発退場に変更。アルベル監督も怒りを露わにするなどし、FC東京の選手たちも判定に納得がいかず抗議。ただ、判定は覆らず、1試合の出場停止処分が課された。
このシーンについて今野氏は「僕も何回も見ましたが、レッドカードかなと思いました」とコメント。「松木玖生選手は左手で相手の位置を確認していて、どこにいるかはなんとなく分かっている。押されればファウルだが、松木選手は強いのでぶつかろうとしたのかなと。このプレーは要らなかったし、クリーンヒットしちゃっているので、仕方ないのかな」と語り、「腕を振り上げちゃダメだった」と、要らない行為だったとした。
関口氏は「僕が松木選手だったら、後ろから来られているので、体をぶつけて一回抑えたいかなと思います。そのところにちょうど顔があったのかな。イエローかレッドかなと」とコメント。レッドとはいえないが、イエローカードは出しても良かったのではないかとした。
これに対し家本氏は「映像のアングルによって受ける印象が違うのが正直なところ」と、VARがチェックして主審に見せる映像によって差があるとした。
「レフェリーが映っている全体のアングルでは、レフェリーちゃんと見えているじゃんと思いますが、経験から言うとちゃんと見えていない。副審は体が被っているので見えていないので懲戒罰を現場で決めるのは難しい」
「腕を抑えているような、レッドカードには感じない。ただ、VARからリコメンドされた映像では、強く振っているように見えていて、ヒジが顔に当たっているので、過剰な力が働いているように見える」
「100%レッドカードではないが、80%ぐらい、(レッドカードの)ボーダーラインではあるかな」
家本氏はレッドでもおかしくはないが、しっかりとジャッジするために色々な映像を見たかという点に注目。「中継映像を見る限りは、行ってちょっと見て、意識決定をしている」と、主審のオンフィールド・レビューの行動について語り、「もうちょっと真剣に見てよと思う人もいるかもしれない」とファン心理を理解。「VARが送った映像だけを見ると、過剰な力が働いたように見えやすいのでそういう判断になる。違う映像だとイエローと判断する主審が多くなるのかなと」と、見え方の違う映像を主審が確認していれば、判定も変わった可能性が高いだろうとした。
また、そもそも「イエローカードが出ていれば」という前提で考えた場合、「仮にイエローカードが出ていた場合にVARが介入できるかといえば、VARが入らなかった可能性は強いとも言える」とコメント。ちゃんと見えていない以上難しい場面ではあるが、主審がピッチ上でジャッジを下していれば、違う結末だった可能性があるとした。