前節終了時点で3位の名古屋と11位の福岡による一戦。今季初の3連勝でシーズンの折り返し地点にきた名古屋はキャスパー・ユンカーをはじめ、先発に変更なく、2連敗の悪い流れを止めたい福岡は前節から復帰の井手口が村上とともにスタートから出場した。
ともに守備力が売りとあって、大きなシーンが少ない展開になるが、名古屋が徐々に押し込む流れに。13分に丸山の負傷交代もあったが、2戦連発中のマテウス・カストロが得意の直接FKからゴールに迫れば、藤井やキャスパー・ユンカーもフィニッシュに持ち込んだりと攻撃が活発化する。
奈良を中心に最終ラインのところでやらせず、粘る福岡だが、名古屋は34分に右サイドから左サイドの大きな揺さぶりから一気にカウンターに。ボックス左のキャスパー・ユンカーから中央でパスを受けた森下が右足フィニッシュに持ち込んでいったが、精度が足りず、枠の上に外してしまう。
そんな名古屋は38分のFKからマテウス・カストロの左足が再び炸裂するが、GK村上がゴール右上に飛んだボールを好セーブ。1点を損した格好だが、その流れで獲得した右CKからキャスパー・ユンカーがヘッドで合わせると、前嶋の腕に当たり、VARからのOFRでPKのチャンスを掴む。
これをマテウス・カストロが左足でゴール下に決め、前半のうちにリードした名古屋だが、後半から追いかける福岡が反撃ムードに。入りから押し返して、井手口も積極果敢な攻撃参加からシュート性のクロスで味方が合わせるだけという惜しいシーンを演出するが、ゴールに繋がらない。
それでも、60分にボックス右でボールを奪いにかかった佐藤が藤井の取り返しを受けて転倒すると、VARのチェック対象に。一度はノーファウル判定だったが、OFRの末に覆って福岡にPKチャンスが転がり込むと、これを佐藤自らが右足でJ1初ゴールを左下に決め切って、振り出しに戻す。
追いつかれてしまった名古屋だが、その失点から4分後にすぐさまの勝ち越しに成功。左CKのチャンスからマテウス・カストロが左足キックでゴール前にボールを送ると、先ほどPK献上の藤井がヘッドで合わせ、ファーサイドでフリーのキャスパー・ユンカーが左足ダイレクトで押し込んだ。
キャスパー・ユンカーにとって、浦和レッズ時代のJ1リーグ自己最多に並ぶ9ゴール目となり、名古屋からすると、J1リーグ史上5クラブ目の通算1500得点目に。そんなゴールで再びリードしたホームチームだが、福岡もウェリントン、湯澤を送り込み、勝負の一手に出たりと食いさがる。
82分過ぎに体調を崩した観客の救護で中断となるアクシデントも挟み、その福岡が三國ケネディエブスも入れ、パワープレーに出るが、古巣相手にケガからの復帰戦となる重廣を送り出した名古屋が見事に競り勝ち、今季初の4連勝。福岡は3連敗で6戦勝ちなしという結果に終わっている。
名古屋グランパス 2-1 アビスパ福岡
【名古屋】
マテウス・カストロ(前45)
キャスパー・ユンカー(後24)
【福岡】
佐藤凌我(後20)