前節はチュクウェゼ躍動のビジャレアルにホームで2-3の逆転負けを喫した2位のマドリー。だが、本気モードのチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝1stレグではチェルシー相手に2-0の先勝。ヴィニシウスが再三の決定機を演出し、ベンゼマとアセンシオのゴールで勝ち切った。
昨季対戦では2ndレグで冷や汗をかかされており、アンチェロッティ監督はその大一番を控える中、このカディス戦では先発6人を変更。ヴィニシウスやクロース、モドリッチ、カマヴィンガらが温存され、ルーカス・バスケスやナチョ、セバージョス、アセンシオらが起用された。
一方、序盤の守勢を凌いだカディスも10分過ぎにビッグチャンス。右サイドでのスローインの流れから中央でタメを作ったソブリーノがボックス左に走り込むエスピノにラストパス。すかさず左足の対角シュートを狙うが、これは惜しくも右ポストを叩いた。
一瞬の隙を突かれて冷や汗をかいたマドリーだが、以降も優勢な展開は変わらず。16分と18分にはアセンシオとベンゼマのコンビプレーから決定機に持ち込むが、GKダビド・ヒルの見事な連続セーブに阻まれる。
前半半ばから終盤にかけては攻撃のギアを上げたマドリーが押し込む状況を作り出す。左サイドで質的優位を作り出すロドリゴが再三の鋭い仕掛けで局面を打開。34分にはゴール左まで持ち込んだロドリゴのプルバックからセバージョス、ベンゼマと連続フィニッシュも、エースFWの決定的なシュートはクロスバーを叩く。その後もロドリゴ、セバージョスに決定機が訪れたものの、完全にノッてしまった相手GKの牙城を破れず。
70%を超えるボール支配率、シュート17本枠内7本とスタッツでは完全に圧倒したものの、ゴールレスで試合を折り返したマドリー。後半も立ち上がりから攻勢を仕掛ける中、50分にはミリトンのロングフィードに抜け出したロドリゴがボックス内でGKと一対一の決定機を迎えるが、うまく間合いを詰められてしまう。
以降はベンゼマを起点としたコンビネーション、カウンターにセットプレーと多彩な仕掛けで決定機を作り続けるが、優れたゴール期待値とは裏腹にゴールが遠い。
徐々に試合が膠着しはじめた中、アンチェロッティ監督は67分にルーカス・バスケスを下げてカマヴィンガを左サイドバックに投入。この交代でナチョが右サイドバックにポジションを移す。対するカディスは直後に3枚替えを敢行し、ナチョの実弟であるアレックス・フェルナンデスを投入すると、一連の交代をきっかけにスコアが動く。
72分、中盤での繋ぎからペナルティアーク右でチュアメニからパスを受けたナチョが豪快に右足を振り抜くと、鋭いグラウンダーのシュートがゴール左下隅に決まった。
実弟の投入に触発されたか、ナチョの今季初ゴールで待望の先制点を手にしたマドリーは、これで重圧から解き放たれてすぐさま追加点を奪取。自陣でのビルドアップからチュアメニ、バルベルデと中央で局面を打開。長い距離を持ち上がったバルベルデからボックス右でパスを受けたアセンシオが得意の開度からゴール左下隅にシュートを突き刺し、公式戦2試合連続ゴールとした。
この連続ゴールで勝利に大きく近づいたエル・ブランコは、ロドリゴとバルベルデを下げてモドリッチ、アザールの同時投入。完全に逃げ切り態勢に入った。その後はドブレーテを狙うアセンシオやシュートを2桁に乗せたベンゼマが3点目に迫ったものの、試合はこのままタイムアップ。
相手の粘り強い守備に苦しみながらもきっちり勝ち切ったマドリーが、ラ・リーガで2戦ぶりの白星を挙げると共にCLチェルシー戦に弾みを付けた。