ジャパンツアーを2連勝で終えたシティは、韓国に移動した今回の一戦でアトレティコと対戦。グアルディオラ監督は2-1で勝利した直近のバイエルン戦から先発4人を変更。アケに代わってラポルテ、コバチッチとリコ・ルイス、マカティーに代えてロドリ、フォーデン、ハーランドと主力を起用。ベルナルド・シウバをトップ下に配した[4-3-1-2]に近い並びで臨んだ。
一方、シティに先んじて韓国入りのアトレティコは、Kリーグ選抜との直近の試合でまさかの2-3の敗戦。その一戦からは先発2人を変更。GKをグルビッチから守護神オブラクに入れ替えたほか、サビッチに代えて新戦力のソユンジュを起用。その他では新戦力のアスピリクエタやレンタルバックのサムエウ・リーノが引き続き名を連ね、2トップはグリーズマンとモラタのコンビとなった。
悪天候の影響で45分遅れでのキックオフとなったこの一戦。立ち上がりからボールを保持するシティが、自陣深くに[5-3-2]の守備ブロックを築くアトレティコの堅守攻略を目指す形に。
相手陣内でボールを動かすプレミア王者は、内と外を織り交ぜたパスワークで相手を揺さぶり、要所でアルバレスやハーランドがフィニッシュまで持ち込むが、守護神オブラクを中心とする相手の堅守に対してジャブを打つにとどまる。
前半半ばから終盤にかけてはアトレティコが攻守両面での戦いが整理され、より自分たちのリズムで試合を進めていく。28分には左サイド深くで仕掛けたリーノの正確なクロスにゴール前のモラタが反応するが、ここはヘディングシュートを枠に飛ばせない。また、グリーズマンの単騎突破やレマルのゴール前への飛び出しで際どい場面も作り出した。
これに対してシティは徐々にボール保持率も下がり始め、やや尻すぼみの形で前半を終える形となった。
結局、ゴールレスで折り返した後半。両チームはGKをそれぞれオルテガ、グルビッチに入れ替えたものの、フィールドプレーヤーに変更を加えることなくスタート。
開始早々の49分にはアトレティコの左CKの場面でニアのモラタが頭でフリックしたボールをファーのリーノがダイビングヘッドで合わせるが、これはGKオルテガのリストの強さ光るビッグセーブに阻まれた。対するシティも直後の52分にセットプレーの二次攻撃からエリア外のウォーカーがクロスバーを掠める決定的なシュートを放った。
互いに1度ずつ決定機を作り合った中、シティは56分に8人のメンバー変更を敢行。ハーランドやロドリ、ストーンズと言った主力を下げ、コバチッチやフィリップス、カンセロといった選手をピッチへ送り出すと、その途中出場のマカティーやコバチッチがいきなりゴール前で決定機に絡んだ。
一方、アトレティコも60分過ぎにソユンジュを除くフィールドプレーヤーを全入れ替え。カラスコやデパイ、アンヘル・コレア、マルコス・ジョレンテに加え、新戦力の若手DFモウリーニョも投入された。
すると、この交代で流れを掴んだアトレティコは攻勢を強めると、66分にバリオスの決定機の流れから2トップの連携でゴールをこじ開ける。ボックス手前左でバリオスからマイナスのパスを受けたデパイがペナルティアーク付近のコレアに一度当ててリターンパスを受け直し、強烈な右足のミドルシュートをゴール左隅へ突き刺した。
以降もオープンな展開の中で持ち味のカウンターが機能するアトレティコは、ジョレンテの抜け出しからデパイに2度目のビッグチャンス。これはGKオルテガの好守に阻まれたが、直後の74分にはハーフウェイライン付近の左サイドから長い距離をドリブルで運んだカラスコが対峙したリコ・ルイスを振り切ってペナルティアーク付近から低い弾道の右足シュートを左下隅に突き刺す。
手堅いアトレティコに2点差を付けられて厳しくなったシティだったが、後半終了間際の85分にはセルヒオ・ゴメスの左CKをルベン・ディアスが打点の高いヘディングで合せ、土壇場で一矢報いるゴールを挙げた。
しかし、より守りを固めたアトレティコ相手に2点目を奪い切るまでには至らず。後半により動きを見せた強豪対決はスペインの強豪に軍配が上がった。
なお、タフなアジアツアー最終戦を敗戦で終えたシティは、8月6日にアーセナルとのコミュニティ・シールドに臨む。一方、アトレティコはアメリカとメキシコで開催されるラ・リーガ・サマーツアー2023に参加し、8月2日にはレアル・ソシエダ戦を戦う。
マンチェスター・シティ 1-2 アトレティコ・マドリー
【シティ】
ルベン・ディアス(後40)
【アトレティコ】
デパイ(後21)
カラスコ(後29)