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「一瞬にして感情を失った」相手のお尻を踏み愚行退場のイングランド女子代表FW、監督は擁護もOGは苦言「必要なかった」「功績を台無しに」

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イングランド女子代表FWローレン・ジェームズの行為が話題に。苦言も呈されている。

7日、オーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)のラウンド16が行われ、イングランドはナイジェリア女子代表と対戦した。

女子ユーロを制し、初のW杯制覇を目指すイングランド。優勝候補の1つでありながら、この試合はナイジェリアの前に苦戦を強いられる。

試合を支配しながらも、決定力を欠気、ゴールを奪えないまま時間が経過。ナイジェリアの激しいマークに遭うなど、苦しめられていた。

そんな中迎えた84分に事件が。今大会エースとしての活躍を見せてきたジェームズが、ミシェル・アロジーに激しくマークを受け、もつれて2人とも倒れる。すると、起き上がる際に、明らかにアロジーの背中を踏みつける愚行にでてしまった。

このプレーにはイエローカードが出されていたが、VARチェックの結果、オンフィールド・レビューに。主審はイエローカードを取り消し、レッドカードを提示。一発退場となってしまった。

試合は数的不利となったイングランドが粘りを見せてPK戦にまでもつれ込み、最後は見事に制してベスト8入りを果たしたが、このプレーには試合後サリナ・ヴィーフマン監督が言及した。

「これは彼女にとって学ぶべき大きな教訓です」

「彼女は決して誰かを傷つけたいとは思ってなかったでしょう。彼女は私が知っている中で、最も優しい人です。試合の終盤であり、選手たちは少し疲れていました」

「彼女はこうしたステージでの経験が浅く、一瞬にして感情を失ってしまいました。故意にやったことではありません。彼女は謝り、本当に悪いと思っていました」

兄も同じチェルシーでプレーするイングランド代表DFリース・ジェームズということもあり、兄妹揃ってのイングランド代表としてW杯に出場することで大きな注目を集めたローレン・ジェームズ。グループステージ3試合で3ゴールを記録するなど、しっかりと活躍を見せていた中での残念なプレーとなった。

監督は擁護したものの、指揮者の見解は異なるようだ。イギリス『BBC』の解説者であるビッキー・スパークス氏は「アルゼンチン戦でのデイビッド・ベッカムを思い出した」とコメントしている。

1998年のフランスW杯に出場したイングランド代表は、ラウンド16でアルゼンチン代表と対戦。ディエゴ・シメオネ(現アトレティコ・マドリー監督)に倒されたベッカムは、倒れたまま足を上げてシメオネに報復行為。これで一発退場となり、その後のPK戦で敗れて敗退となっていた。

その光景を思い出したというスパークス氏。当時のベッカムは「10人の勇敢な獅子とひとりの愚かな若者」とメディアから批判を受けるなど、敗退の戦犯として扱われていた。

また、同じく『BBC』で解説を務める元イングランド女子代表MFのアニータ・アサンテ氏は「あの行為が、ローレン・ジェームズのこれまでの素晴らしい功績を台無しにしてしまった」とコメント。「彼女はスーパースターであり、この経験から成長することを願っている」と語っていた。

さらに、イングランド女子代表の最多得点記録保持者のエレン・ホワイト氏も「あれは必要なかった」と苦言を呈していた。

一方でチームメイトはジェームズを擁護。ルーシー・ブロンズは「彼女は動揺していた。ただフラストレーションが溜まっていただけ」と語り、「まだ若いし、この経験から学んでほしい」とコメントした。

なお、背中を踏まれたアロジーは「タックルに対する彼女の反応には少し驚いた」と語り、「あれは必要なかった思う。お尻を踏まれただけだから問題ないわ」とコメント。「恨むことはない。ただの試合だから」と、踏まれたことには動揺したものの、ジェームズを恨むことはないと語った。

この退場により、準々決勝は欠場が確定。国際サッカー連盟(FIFA)の判断にもよるが、出場停止が増える可能性もあり、2試合が追加された場合は決勝まで進んでも、もうピッチに立つことはできないこととなる。

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