8位のブライトンは、残留争いからほぼ抜け出しつつある13位のウォルバーハンプトンを相手に公式戦連敗ストップを狙った。前節、ノッティンンガム・フォレスト戦ではFAカップ準決勝の疲労の影響もあってフィジカルな相手の戦いに苦戦。最終的に1-3の敗戦となった。その敗戦からのバウンスバックを図ったホームゲームでは先発5人を変更。三笘やマク・アリスター、カイセドらをベンチに置き、ウェルベックやウンダブ、ギルモアらを起用した。
主力不在の影響が懸念されたブライトンだったが、落ち着いた入りを見せると、伏兵の一撃で早い時間帯にゴールをこじ開ける。6分、左サイドを深くえぐったエストゥピニャンのクロスを繋いでボックス手前右からフェルトマンがグラウンダーの斜めのパスをゴール前に差し込むと、中央のウェルベックがヒールで流したパスに一瞬抜け出したウンダブが左足ワンタッチで流し込んだ。
オフサイドを巡るVARの介入があったものの、ドイツ人FWの待望のリーグ戦初ゴールが認められたシーガルズは以降も攻勢を続ける。13分には中盤でのマテウス・ヌネスのボールロストをきっかけにカウンターを発動。左サイドから斜めにボールを運んだエンシソのラストパスに反応したゴール前のグロスが左足のダイレクトシュートをゴール左隅に突き刺した。
効率の良い攻撃で瞬く間にリードを広げたホームチームは、以降も攻守両面で相手を圧倒。ウェルベックが続けて際どいシーンに絡む。その後、20分過ぎにはペドロ・ネトの突破からゴール前のマテウス・ヌネスに決定機を許すが、ここはGKスティールの好守で凌ぐ。すると、直後の26分には再びボックス手前左でボールを持ったエンシソからの横パスに反応したグロスが浮かせる形のトラップから右足のボレーシュートを放つと、これがゴール右隅に突き刺さった。
この3点目で勝利に大きく近づいたものの、覇気のないプレーに終始するアウェイチームに立ち直りのきっかけを与えないデ・ゼルビのチーム。39分にはスムーズなトランジションから左サイドをエンシソ、エストゥピニャンで攻略。正確な浮き球のクロスをファーでフリーのウェルベックが叩きつけるヘディングシュートでニアを破り、前半で勝利を決定付ける4点目とした。
迎えた後半、為すすべなしのウルブスは前半終了間際に負傷交代したセメドに続きハーフタイムにはジエゴ・コスタとジョアン・ゴメス、ドーソンに代えてコリンズ、トチ・ゴメス、ファン・ヒチャンを同時投入。[5-4-1]の布陣で一矢報いるゴールを目指す。
だが、後半も緩みなく入ったブライトンは48分、ボックス手前で相手の短いクリアを引っかけたウェルベックの左足のミドルシュートで後半最初のゴールを奪取した。
これでダメのダメを押したデ・ゼルビ監督は56分、ウェルベックとマーチを下げて三笘とブオナノッテを、65分にはエンシソと負傷したフェルトマンを下げてマク・アリスター、カイセドと続けて主力をピッチに送り出した。
すると、交代直後から左サイドで2度の鮮やかな仕掛けでチャンスを創出した三笘の好守から6点目が生まれる。66分、相手GKからのビルドアップの場面で三笘がマテウス・ヌネスに強烈な圧力をかけると、連動してプレスを仕掛けたウンダブがボールを奪い切ってボックス右に侵入。最後は飛び出したGKジョゼ・サをあざ笑うかのような絶妙なループシュートを無人のゴールへ流し込み、グロスとウェルベックに続いてマルチゴールを達成した。
その後は三笘や途中出場の選手が貪欲にゴールを目指す一方、チーム全体では週明けのマンチェスター・ユナイテッド戦を睨んで試合を締めにかかる。87分にはボックス内でのマク・アリスターの強引な仕掛けからこぼれ球に反応した三笘にシュートチャンスも、ボックス右で放ったシュートは大きくふかしてしまった。
それでも、今季最多6ゴールでウルブスを粉砕して公式戦連敗をストップしたブライトンは、今季勝ち点を52ポイントとし、1部リーグでのクラブ最多勝ち点記録を更新した。