首位のバルセロナは前々節、アトレティコ・マドリ―とのビッグマッチを制して4シーズンぶりのプリメーラ制覇へ大きな白星を手にした。しかし、前節はイラオラ率いる苦手ラージョとのアウェイゲームでは今季2度目の複数失点を喫するなど1-2の敗戦。
その敗戦からのバウンスバックを図った6位のベティスとのホームゲームでは先発2人を変更。マルコス・アロンソとフェラン・トーレスに代えて負傷明けのクリステンセンと、サスペンション明けのブスケッツを起用。さらに、デンベレがベンチに戻ってきた。
立ち上がりから圧倒的にボールを握って優勢に試合を進めるバルセロナ。相手を押し込む中、レヴァンドフスキやペドリがアタッキングサードでアクセントを付けていく。
そういった中、12分には筋肉系のトラブルに見舞われたルイス・フェリペに代わってエドガル・ゴンサレスの投入というアクシデントに見舞われたベティスに対して、バルセロナがファーストチャンスをモノにした。
14分、右CKの二次攻撃から右サイドのハフィーニャが左足の正確なクロスをゴール前に供給すると、絶妙なタイミングで入ってきたクリステンセンがゴール右隅へ渾身のヘディングシュートを突き刺した。
復帰戦となったクリステンセンの加入後初ゴールによって幸先よく先制に成功したバルセロナは、早い時間帯の同点を目指して前に出てきたベティスの反撃を受け止める形に。そして、危なげなく相手の攻撃を撥ね返しては鋭いカウンターで追加点を狙っていく。
その後もホームチームペースで試合が進む中、30分を過ぎて試合が大きく動く。33分、途中投入ながらすでにイエローカードをもらっていたエドガル・ゴンサレスがペドリの足をスタンプしたプレーで2枚目のイエローカードをもらって退場に。
これでリードに加えて数的優位を手にしたバルセロナは36分、右サイドのスペースに絶妙なタイミングで抜け出したクンデからのグラウンダーの折り返しを、ゴール前に走り込んだレヴァンドフスキが右足ダイレクトでゴール左隅へ流し込んで2試合連続ゴールを記録。
さらに、39分にはブスケッツのスルーパスにオフサイドラインぎりぎりで飛び出したハフィーニャがGKとの一対一でピッチに叩きつける絶妙な左足シュートを流し込む。当初、このプレーはオフサイド判定となったが、VARの介入後にオンサイドでのゴールが支持された。
効率の良い攻撃で前半だけで試合を決めたバルセロナ。後半は勝利と共に守護神テア・シュテーゲンのクラブ新記録となる24度目のクリーンシート達成を最優先事項としつつも、貪欲な攻撃陣が積極的に4点目を狙う。58分にはボックス中央で前を向いたレヴァンドフスキが自身2点目に迫るが、このシュートは惜しくも右ポストに阻まれる。
チャビ監督は直後の60分には共に復帰から間もないクリステンセンとフレンキー・デ・ヨングを下げて、マルコス・アロンソとアンス・ファティを同時投入。この交代でファティが左ウイング、ガビがインテリオールにポジションを下げた。
一方、敗色濃厚のベティスは64分に2枚替えを敢行。これが現役最後のカンプ・ノウでのプレーとなるホアキンが投入されると、ベティスとスペイン代表のレジェンドに向けてホームサポーターからも惜しみない拍手が捧げられた。
以降はベティスの粘りの守備もあって3-0のスコアが維持される中、バルセロナは73分にペドリとハフィーニャを下げてケシエと共に、1月末以来の戦列復帰となるデンベレをピッチに送り出した。
試合終盤にかけてベティスにアクシデント発生。右ヒザを痛めたホアキンがプレー続行不可能となり、すでに交代枠を使い切った状況で残り時間を9人で戦うことに。
一方、手負いの相手に容赦ないバルセロナは82分にファティの高速クロスがギド・ロドリゲスのオウンゴールを誘発。さらに、83分にはガビを下げて、21世紀でのクラブ最年少デビュー(15歳290日)となるラミン・ヤマルを投入した。
その注目の15歳は投入直後にボックス内での相手DFのトラップミスからボールを奪ってデビュー戦ゴールに迫ったが、ここはGKルイ・シウバの意地のビッグセーブに阻まれた。
それでも、危なげなく試合をクローズしたバルセロナは守護神テア・シュテーゲンがクラブ新記録を樹立。難敵ベティスにホームで完勝したブラウグラナは、ラージョ戦の失態から見事にバウンスバックを果たし、また一歩悲願達成に近づいた。