4位のユナイテッドは、ミッドウィーク開催となった延期分のブライトン戦で0-1の敗戦。試合終了間際に与えた痛恨のPKによって競り負け、リーグ6試合ぶりの黒星となったテン・ハグのチームは、2試合消化が多いものの、前日の勝利で5位のリバプールとの勝ち点差が「1」に縮まっている。
トップ4死守へ勝ち点3が求められるアウェイゲームでは、週明けにヨーロッパ・カンファレンスリーグ(ECL)準決勝1stレグのAZ戦を控える15位のウェストハムと対戦。赤い悪魔はリバウンドメンタリティ試される一戦で先発3人を変更。ダロトとフレッジ、マルシャルに代えてマラシア、エリクセン、ヴェグホルストを起用した。
なお、守護神デ・ヘアはこれがユナイテッドでの通算540試合目となり、1960~1970年代に活躍したアレックス・ステップニー氏の記録を抜き、同クラブのGK最多出場記録を塗り替えた。
立ち上がりからウェストハムが推進力のある仕掛けを見せていくが、ユナイテッドはフィニッシュまで持ち込ませない。
逆に、カウンターから効果的に前線の選手へクリーンなボールを繋げていくと、ラッシュフォードやアントニーが枠をわずかに外れる際どいシュートを放っていく。17分にはボックス左でボールを持ったラッシュフォードが腰の捻りを利かせた強烈な右足のシュートをニアサイドに飛ばすが、これは惜しくもポストを叩いた。
以降はしばらく膠着状態が続いたが、赤い悪魔の新たなGK最多出場記録保持者の痛恨の失策によって試合が動いた。
27分、相手陣内バイタルエリアでのルーズボールの競り合いを制したベンラーマがボックス付近まで運んで意表を突くタイミングで右足のグラウンダーシュートを放つ。コース自体はゴール左下隅の際どいところに飛んだものの、シュートの勢いを考えれば問題なく処理できると思われたが、GKデ・ヘアがこれをはじき出すことができずにゴールネットに吸い込まれた。
思わず多くのフィールドプレーヤーが頭を抱える守護神のミスで先手を奪われたユナイテッドは、すぐさま反撃を開始。直後の32分にはボックス手前でアントニーが得意の左足を振るが、DFにディフレクトしてややコースが変わったシュートは右ポストを掠める。
ここから畳みかけたいユナイテッドだったが、以降はウェストハムの堅固なブロックを前になかなか攻め切れず。完全に攻撃が停滞。さらに、前半終了間際にはボックス内でクロスをブロックしたDFリンデロフがあわやPKを取られそうになるなど、苦しい状況で試合を折り返した。
テン・ハグ監督のハーフタイムの修正に注目が集まった後半立ち上がりだったが、引き続きウェストハムが試合をコントロール。
アグレッシブな守備でユナイテッドの繋ぎのミスを誘発すると共に、球際の勝負でも優位に立つ。ボックス内で中盤や前線の選手が再三仕掛けるシーンを作り出す中、63分にはソウチェクが右ポストを叩く際どいシュートも放った。
一方、前半以上に攻撃が停滞するユナイテッドはヴェグホルスト、アントニー、エリクセンを下げてマルシャル、サンチョ、ザビッツァーをピッチに送り出す。77分にはそのザビッツァーのお膳立てからボックス右に抜け出したラッシュフォードに久々の決定機も、枠を捉えたシュートはGKファビアンスキにはじき出される。
後半終盤にかけてもウェストハムペースで試合が進む中、フレッジとダロトの同時投入で交代カードを使い切ったユナイテッドは、8分が加えられたアディショナルタイムに猛攻を仕掛けていく。だが、ここまで完全に消えていたマルシャルに2度のビッグチャンスが訪れたものの、決め切ることはできなかった。
この結果、ブライトン戦に続き2試合連続の0-1のスコアで敗れたユナイテッドは、開幕以来となる今季2度目のリーグ戦連敗に。1試合消化数が少ないものの、1ポイント差に迫るリバプールの脅威を感じる残り4試合に。