グラスナー監督との契約は2024年6月まで残っていたが、両者は度重なる話し合いの結果、その契約を今シーズン終了のタイミングで解消するとの決断に至った。
スポーツディレクターを務めるマルクス・クレシェ氏は、今回のクラブの決断に際して以下のような説明を行っている。
「我々は、様々な憶測が飛び交い、またここ数週間、数カ月の間に監督人事について動揺が生じたため、監督とチームの焦点が完全にシーズンの目標とカップファイナルに集中できるよう、将来についての問題を明確にすることが不可欠だという意見を持っています。だからこそ、最高のお別れをするために協力し合い、全力で最終戦に集中したいのです」
一方、今シーズン限りでの退団が決定したグラスナー監督は、残りのブンデスリーガと来シーズンのヨーロッパリーグ(EL)出場権が懸かるDFBポカール決勝に向け、変わらずに全力を注ぐことを誓っている。
「適切な方法で私に説明されたクラブ経営陣の決定を受け入れます。過去数年間の我々のやり取りが常に建設的で特徴的だったように、マルクス・クレシェとティモ・ハルダングとの会話は正直で、オープンで、公正であり、高いレベルの相互尊重によって行われました」
「ただ、今はさよならを言ったり、振り返ったりする時ではありません。我々にはまだ重要な使命があり、今後数週間でブンデスリーガの最終段階でパフォーマンスを利用し、ベルリンでの重要な決勝のための条件を整え、DFBポカールをフランクフルトに持ち帰るために、今後数週間、全力を尽くします」
「アイントラハトが来シーズンも国際舞台で素晴らしい夜を過ごせることは、私自身にとって非常に重要なことです」
ヴォルフスブルクをチャンピオンズリーグ出場に導いた手腕を評価され、2021-22シーズンからフランクフルトの指揮官に招へいされたグラスナー監督。
就任1年目となった昨シーズンはブンデスリーガで11位に甘んじたが、ヨーロッパリーグではクラブ史上初の優勝に導く見事な手腕を発揮した。
だが、今シーズンはDFBポカールで決勝進出を果たした一方、ブンデスリーガでは一時トップ4争いに絡んでいたものの、直近の10試合未勝利(5分け5敗)という大不振によって9位に甘んじている状況だ。
そういった中、ここ最近ではグラスナー監督とスポーツディレクターを務めるマルクス・クレシェ氏ら首脳陣の関係悪化が伝えられており、直近のホッフェンハイム戦後の会見での幾つかの問題発言が物議を醸していた。
また、最近の地元メディアではすでに後任候補としてユリアン・ナーゲルスマン氏の副官を務めていたディノ・トップメラー氏(41)をリストアップしているとの報道も出ていた。
日本代表MF鎌田大地や一部主力と共にグラスナー監督の今シーズン限りでの退団が決定したフランクフルトは、6月3日に行われるRBライプツィヒとのポカール決勝で有終の美を飾るべく、残り試合での一枚岩での戦いを期待したいところだ。